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ワコールのメンズ下着を買おうとすると、最初につまずくのがブランド名です。「ブロス」と「ワコールメン」が並んでいて、どちらもワコール、どちらもメンズ。値段は倍近く違う。同じような名前の商品まである。私も最初はここで手が止まりました。
この記事では、BROSの定番ボクサーパンツGT3111の実物を手元に置いて、公式の一次情報と突き合わせながら確かめたことを書きます。扱うのは四つです。ブロスとワコールメンは結局どう違うのか。実際にメジャーを当てた平置き寸法。ウエスト74cmの私がなぜMを選んだのか。そして旧品番GT3110から何が変わったのか。
先に結論
結論から書きます。ブロスとワコールメンは、公式サイト上では別ブランドとして並んで扱われています。ブロスは1枚1,000円台からの日常ライン、ワコールメンは3,000円台からの上位ラインで、価格帯とコンセプトが分かれています。GT3111はそのブロス側の定番で、Amazonのメンズボクシングトランクス部門で1位を取っている売れ筋です。
サイズについては、レビューが割れているのを実物で確かめた結果、小さめ寄りだと判断しました。ウエストの実寸が公表目安の境目にある人は、大きいほうを選んで問題ないと考えています。理由はあとで実測値と一緒に書きます。
ブロスとワコールメンは何が違うのか
この疑問に正面から答えている記事が見当たらなかったので、公式サイトのブランドページを両方開いて確かめました。以下は2026年8月20日時点の公式表記にもとづきます。
公式が掲げているテーマが違う
ブロス(BROS by WACOAL MEN)のブランドページには、テーマとして「男が知らなかった気持ちよさ」が掲げられ、素材・設計・技術へのこだわりが説明されています。一方のワコールメン(WACOAL MEN)は「迴いつけない下着をつくろう」がテーマで、フィット感・肌ざわり・動きやすさを軸にしています。
そしてブロスのページには「関連ブランド」という欄があり、そこにワコールメンが載っています。つまりワコールは、この二つを同じブランドの上下グレードではなく、隣り合う別ブランドとして案内しているということです。どちらもワコールが手がけるメンズアンダーウェアである点は、両方のページに同じ言い回しで書かれています。
名前がややこしいのには経緯があります。繊研新聞の2020年3月10日の記事によると、ブロスは2020年春夏でデビュー30周年を迎え、その3月から「ブロス・バイ・ワコール・メン」へブランド名を変更しています。もともと「ブロス」だったところに、あとから「バイ・ワコール・メン」が付いた。だから名前の中にワコールメンが入っているのに、ワコールメンとは別ブランド、という一見矛盾した状態になっています。なお公式サイトのお知らせでは、2026年にブロスは35周年と告知されています。
価格帯と品番で見分けられる
実際に選ぶときは、テーマより価格帯と品番のほうが役に立ちます。公式ストアで両ブランドのボクサーパンツを並べると、次のように分かれます。
| 項目 | ブロス | ワコールメン |
|---|---|---|
| 正式名称 | BROS by WACOAL MEN | WACOAL MEN |
| 公式テーマ | 男が知らなかった気持ちよさ | 追いつけない下着をつくろう |
| 品番の頭 | GT(一部GX) | WT |
| ボクサーパンツの価格帯 | おおむね1,400円〜2,500円台 | おおむね2,900円〜4,950円 |
| 代表シリーズ | 定番ボクサー、ダブルエアスルー、Everyday Boxer、クロスウォーカー | 気持ちいいパンツ、超気持ちいいパンツ、レースボクサー |
| コラボ展開 | イラストレーターとの柄コラボなど | ファッションブランドとのコラボが中心 |
品番の頭文字は買うときの目印として確実です。GTで始まればブロス、WTで始まればワコールメン。通販サイトの商品名はブランド表記が混乱していることがありますが、品番は間違えようがありません。
名前がほぼ同じ商品があるので注意
ここが一番の落とし穴です。ワコールメンには「気持ちいいパンツ」という看板商品があり、公式サイトにメンズパンツ販売枚数1位と表記されています。ところがブロス側にも「キモチイイパンツ」という商品があります。漢字とカタカナで書き分けられてはいますが、検索窓に打ち込むときにこの差を意識している人はまずいないはずです。
私が確認できた範囲では、ブロスのキモチイイパンツは前閉じで2,530円から、ワコールメンの気持ちいいパンツは現行品番WT3438が定価3,630円です。どちらも全方向に伸びるストレッチ素材をうたっており、設計が同一なのかどうかまでは公式の記載からは判断できませんでした。ここは確認できていないので、断定は避けておきます。買うときは商品名ではなく品番で照合するのが確実です。
なおワコールメンの気持ちいいパンツについては、実物を買って世代ごとの違いまで確かめた記事を別に書いています。あちらと本記事を読み比べると、同じ会社の二つのラインが何を狙い分けているのかが見えてくるはずです。
ワコールメン側の実物検証はワコールメン気持ちいいパンツWT3418の実測レビューにまとめています。前を当て布で支える構造と、この記事のゆとりで逃がす構造を並べて読むと、価格差が何に使われているのかが見えてきます。
GT3111の基本情報
実物と公式情報を突き合わせた基本スペックです。価格は2026年8月20日時点のものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | BROS by WACOAL MEN(ブロス バイ ワコールメン) |
| 品番 | GT3111(旧品番はGT3110) |
| 価格 | 参考価格1,760円。実売は1,478円前後 |
| 身生地 | ポリエステル90%・ポリウレタン10% |
| テープ部 | ナイロン55%・ポリエステル30%・ポリウレタン15% |
| サイズ | S・M・L・LL・3L・4L |
| ウエスト目安 | S 68〜76cm/M 76〜84cm/L 84〜94cm/LL 94〜104cm/3L 104〜114cm |
| 前開き・前閉じ | 前開き |
| 主な機能 | 吸汗速乾、フロント快適設計、肌あたり軽減設計、環境配慮素材 |
| Amazon評価 | 4.1(125件)。メンズボクシングトランクス部門1位 |
目を引いたのは素材です。身生地にポリエステルの再生糸と、生産途上で廃棄される原料を再利用したポリウレタン糸が約35%含まれていると公式が明記しています。ウエストテープにも再生ナイロンと再生ポリエステルが使われている。1,500円前後の日常品でここまで書いている製品は多くありません。
実際に測った平置き寸法
公表されているのはウエストの目安レンジだけなので、実物にメジャーを当てました。平置きでウエストゴムは33.5cmで、ウエストゴム幅(太さ)は3cm、総丈(縦)22.5cmでした。

ウエストゴムのデザインはロゴが連続するデザイン。

背面のウエストゴムにBROSのタグが縫い付けてあります。画像からも分かる通り、ロゴ on ロゴでかなりうるさい印象

重さは55.1gでした。
ウエスト74cmでMを選んだ理由
私のウエストは実寸74cmです。GT3111の公表目安に当てはめると、68〜76cmのSにあたります。それでも一つ上のMを買いました。
理由は、この製品にサイズが小さめだという評価が集まっているからです。Amazonのレビューを読み込むと、Mを買った人から「ちょっとタイト気味でもうワンサイズ大きめでよかった」「少し小さめなのでゆったり感が好きな人は大きめが良い」という声が出ています。3ブランドを同じMサイズで買い比べた人の投稿では、ブロスが3つの中で一番小さめでローライズ、股下も短いと書かれていました。Amazonが自動生成しているレビュー要約でも、サイズ感については意見が分かれると表示されます。

私が履いた感じではMサイズでちょうどよいと感じるフィット感です。見せられる体型ではないのですが、参考にしていただけると幸いです。
一方で、170cm・54kgの細身の人がMでぴったりだったという投稿もあります。つまり小さめといっても極端ではなく、細身の人なら公表どおりでも収まる。ただし目安レンジの境目にいる人が下のサイズを選ぶと外す可能性が高い、という読み方が妥当だと判断しました。
フロント快適設計とは何をしているのか
GT3111の売り文句は「立体フロントで、快適キープ」です。公式の説明を分解すると、やっていることは二つあります。
一つ目がフロント快適設計で、フロント部分にゆとりを持たせ、股下の縫い目の位置に配慮したと書かれています。二つ目が肌あたり軽減設計で、股下部分とヒップ部分をフラットな縫製にすることで肌ざわりの不快感を軽減する、という説明です。

この「ゆとりで対応する」という考え方は、同じワコールでもワコールメン側とは違う道を選んでいます。ワコールメンの気持ちいいパンツは独立した当て布で前を支える構造でした。ブロスは支えるのではなく、当たらないように空間を作る。方向が逆です。

Amazonのレビューにも、前の膨らみ部分が股下まであって納まりが良いという投稿があります。空間で解決するアプローチが、実際に効いていると感じている人はいるようです。
GT3110とGT3111は何が違うのか
検索するとGT3110という品番も出てきます。Amazonの商品ページではスタイルの選択肢として「GT3110」と「GT3111(2024年〜)」が並んでいて、同じ商品ページの中で切り替えられるようになっています。
両者の商品説明を読み比べると、立体フロントで快適キープというキャッチ、吸汗速乾、フロント快適設計、肌あたり軽減設計、前開きという仕様が一致します。販売店によってはGT3110を販売終了と表示しており、価格も1,650円と現行より低い。以上から、GT3110が旧デザイン、GT3111が2024年以降の現行デザインで、設計の骨格は引き継がれていると読むのが自然です。
| 品番 | 位置づけ | 参考価格 | サイズ展開 |
|---|---|---|---|
| GT3110 | 旧デザイン。販売終了の表示を出す店舗あり | 1,650円 | S〜3L |
| GT3111 | 2024年〜の現行デザイン | 1,760円 | S〜4L |
実利で言えば、GT3110が流通在庫で安く残っていれば買って損はないと思います。ただ在庫は色とサイズが虫食いになりがちなので、そこまで手間をかけるほどの価格差ではありません。
気になった点
良かった点だけ並べても参考にならないので、引っかかった点も書きます。
まず生地が薄いことです。複数のレビューで薄手でサラサラしているという評価が出ており、これは夏には利点ですが、冬に一枚で過ごすには心もとない可能性があります。素材がポリエステル90%なので、綿の下着から乗り換える人は肌ざわりの系統が変わる点も承知しておいたほうがいいと思います。

サーモグラフィーカメラだと温度が低く出ています。(緑~青色部分)
次に選択タグが縫い付けタグなのが非常に残念です。このパンツは肌当たり軽減を謡っていますが、縫い付けタグはチクチクしてデメリットしかありません。

次にローライズで股下が短いこと。これは好みの問題ですが、深めのはき込みに慣れている人には浅く感じるはずです。ウエストゴムの幅が3cmという投稿もあり、体型によってはゴムの跡が気になるかもしれません。

最後に、縫製の仕上げが完全なフラットでは無いことです。フロント側の立体的に生地を配置している部分周辺の縫い目が平らではないので着用シーンによっては違和感が出るかもしれません。私は足を組んで座っている時にこの縫い目部分が足と足の間に当たって痛かったです。
密着型の限界と、分離型という別の軸
ここまで見てきたブロスもワコールメンも、生地の使い方でフロントの収まりを改善するという考え方です。ゆとりを作るか、当て布で支えるか。どちらも一枚の袋の中で解決しようとしています。
ただ、蒸れや肌どうしの接触という悩みには、そもそも空間を分けてしまうという別の答え方もあります。股間を分離するという考え方を採った一枚です。生地の工夫で当たりを和らげるのではなく、仕切りを設けて肌が触れ合う面そのものをなくす。1,500円前後の日常品とは価格帯も役割も違いますが、選択肢として知っておくと比較の軸が増えます。
合う人と合わない人
- 合う人。1枚1,500円前後で毎日の履き替えを揃えたい人。夏にさらっとした化繊のはき心地を求める人。前開きが必須の人。ローライズが好きな人
- 合わない人。綿の肌ざわりを譲れない人。深いはき込みが好きな人。生地の厚みに安心感を求める人。前閉じを探している人
ワコールメンの上位ラインと迷っているなら、価格差の意味をどう取るかだと思います。現行の気持ちいいパンツWT3438が20%オフでおよそ2,900円、GT3111が1,760円。1枚あたり1,100円強の差をどこに払うかという判断になります。
ブロスと他ブランドを横に並べた比較は、9ブランド14品を同じ体で履き比べたボクサーパンツの履き心地ランキングにあります。GT3111は6位、上位のワコールメンは2位でした。
よくある質問
ブロスとワコールメンはどちらが上位ですか
公式サイトでは上下関係ではなく、隣り合う別ブランドとして案内されています。ただ実際の価格帯はブロスがおおむね1,400円から2,500円台、ワコールメンが2,900円から4,950円で、ワコールメンのほうが高価格帯です。日常用を数を揃えるならブロス、素材やデザインに投資するならワコールメン、という選び分けが実用的です。
GT3110とGT3111の違いは何ですか
GT3110が旧デザイン、GT3111が2024年以降の現行デザインです。立体フロント、吸汗速乾、フロント快適設計、肌あたり軽減設計、前開きという仕様は両方に共通しています。GT3110は販売終了の表示を出している店舗があり、流通在庫での販売が中心です。
サイズは大きめを選んだほうがいいですか
ウエストの実寸が公表目安の境目にある人は、大きいほうをおすすめします。小さめだという評価がレビューに複数あり、Amazonのレビュー要約でもサイズ感で意見が分かれると表示されるためです。実寸がレンジの真ん中にある人は公表どおりで問題ありません。
前開きと前閉じのどちらですか
GT3111は前開きです。前閉じを探している場合は、同じブロスのEveryday Boxer(GT3490・GT3491)やダブルエアスルーパンツ(GT3910)が前閉じで展開されています。
スポーツで使えますか
吸汗速乾の素材で生地が薄いため、汗をかく場面との相性は悪くありません。実際にランニングや筋トレで使っているというレビューもあります。ただしスポーツ専用に設計された製品ではないので、激しく動く場面でのズレへの対策は特にうたわれていません。
フロントの収まりを構造から解決する方向に関心があれば、陰嚢分離パンツとは何かで分離型の考え方を整理しています。実際に履き比べた結果は分離型ボクサーパンツの選び方に、裾をゴムで締めない設計を採った同じワコールの運動用モデルはCW-X スポーツショーツHSO550の正直レビューに書きました。